
2日間、混浴仲間10人で泊まりの時間を過ごした。
普段から、いつもの湯で顔を合わせている仲間たちではあるけれど、
服を着た状態で、長い時間を共に過ごすのは、実は今回が初めてだった。
しかも、初対面同士の人たちもいる。
年代も30代から60代まで幅広い。
正直、行く前は少しだけ未知だった。
どんな空気になるんだろう。
ちゃんと自然に馴染めるんだろうか。
そんなことを、少しだけ考えていた。
けれど、宿についてすぐ、そんな感覚は消えていった。
誰かが指示を出すわけでもなく、
「これやって」「あれお願い」と声を掛け合うわけでもない。
なのに、一人ひとりが自然に動き始めていた。
食卓を整える人。
ゴミの分別をわかりやすく書いてくれる人。
コップに名前を書いてくれる人。
充電ステーションを作ってくれる人。
お風呂を沸かしてくれる人。
夜中にお肉を焼いてくれる人。
ただただ、幸せそうにお酒を飲んでいる人。
1日中運転してくれた人は、
少し早めに静かに眠っていた。
気づけば、誰かが静かに片付けてくれている。
みんなで協力して、あっという間に布団も整っていた。
近くにレストランもあったので、
「夕飯はそこでもいいよね」と話していたはずなのに、
気づけば、それぞれが持ち寄ったもので、
食卓がいっぱいになっていた。
しかもそこに、
「やってあげている」空気がまったくない。
誰も無理をしていなくて、
気を使いすぎる人もいない。
でも、不思議なくらい、空気が穏やかだった。
みんな「混浴が好き」という共通点はある。
けれど、ただそれだけでは、こういう空気にはならない気がしている。
私は今回、
“安心できる場”って、結局はそこにいる人の在り方で決まるんだな、と思った。
特に大きかったのは、
私のパートナーでもある、コアメンバーAの存在だったと思う。
彼は、女性だけを特別扱いしない。
むしろ、男性のことも本当によく見ている。
この人は周りを大切にできる人か。
誰かを雑に扱わない人か。
安心して一緒に過ごせる人か。
たぶん、そういうことを、いつも自然に見ている。
誰かが一人になっていると、
一番先に気づいて、さりげなく寄り添う。
盛り上げ役をやろうとしている感じはまったくないのに、
ふっと場を和ませる。
その在り方そのものが、
周りに安心感を与えているんだと思う。
コアメンバーBは、普段はとてもおしゃべりなのに、
こういう場になると、空気を読んで一歩引ける人だった。
コアメンバーCは、人の気持ちを繊細に拾いながら、
軽やかな会話で自然と場を和ませてくれる。
女性陣も、気を使いすぎることなく、
それぞれのペースを大切にしながら過ごしていた。
そして男性陣は、みんな女性を大切にする人たちだった。
それを言葉でアピールするわけじゃない。
でも、態度の端々に、それが滲み出ている。
だからなのか、
10人という人数だったのに、
不思議と“大きな家族”みたいな空気だった。
その辺で普通に着替えて、
自然に食卓に集まって、
穏やかにご飯を食べて。
初対面同士も、無理に馴染もうとするわけでもなく、
自然に言葉を交わしていた。
もちろん、私たちは混浴仲間なので、
そこには自然と、少し親密な空気も混ざっていた。
でもそれは、何か特別なイベントのようなものではなく、
愛し合う人達が自然に触れ合ったり、
イチャイチャしたり、
セックスをしたりすることが、
ごく当たり前にそこにある。
そんな空気だった。
だからといって、みんなで一斉に盛り上がるわけでもない。
それぞれが、それぞれのペースで、
それぞれの心地いい距離感で過ごしていた。
自然に寄り添う人達がいて、
それを周りも、穏やかに受け入れている。
不思議だったのは、
そういう場面でも、終始とても落ち着いた空気だったことだ。
嫉妬や競争のような空気はほとんどなく、
むしろ、温かさや安心感の方が強かった。
この感覚は、
普通の飲み会とも、家族とも違う。
たぶん、混浴仲間独特のものなんだと思う。
実は私は、夜に楽しすぎて少し飲みすぎてしまい、
翌朝かなりぐったりしていた。
でも、誰も気にしすぎることなく、
いつの間にか片付けが進み、場が回っていた。
私はただ、ぼーっとしていた。
それが、なんだかとてもよかった。
「ちゃんとしていなきゃ」と思わなくていい空気。
役割を果たさなくても、そのままでいられる感じ。
ああ、安心ってこういうことかもしれない、と思った。
ありがたいことに、
今回の話を聞いて、「次は一緒に行ってみたい」と言ってくれるカップルさん達も、少しずつ増えている。
でも同時に、
この空気は、ただ人数を増やせば生まれるものではないんだろうな、とも感じている。
安心感は、ルールだけでは作れない。
そこにいる人の在り方や、
誰を迎え入れるか、
どんな空気を大切にするか。
たぶん、そういう積み重ねでできている。
だからこそ、
広げることよりも、
まずは、この空気をちゃんと大切に育てていきたいと思っている。
私はもともと、大人数で過ごすのがあまり得意ではなかった。
でも今回、
コアメンバー達や、こういう仲間たちと一緒なら、
こんな時間を「心底楽しい」と感じられるんだな、ということを知った。
大人になってからでも、
こんなふうに、しがらみなく、ただ純粋に楽しい時間を過ごせるんだなと、あらためて思う。
こういう時間は、
ちゃんと大切にしていきたい。
そして、半年に一度くらいは、
またみんなで、こんな時間を過ごせたらいいなと思っている。
