“見ているだけ”だった女性が、一歩踏み出した日

「混浴温泉は興味がありましたが、
女性1人で入る勇気もなく、
混浴を楽しんでいる方々のサイトをスマホで見ているだけでした。」

今回ご一緒した女性が、
参加後に送ってくれた感想の一文です。

こういう女性は、
きっと少なくないんだと思う。

興味はある。
でも、少し怖い。

どんな人が居るんだろう。
どんな空気なんだろう。
自分みたいな普通の女性が行っても大丈夫なんだろうか。

そんな気持ちを抱えながら、
長い間、“見る側”に居る。

だからこそ、
今回、その女性が一歩踏み出してくれたことが、
なんだか嬉しかった。


待ち合わせは、水上の道の駅。

事前に車種を聞いていたので、
「あれかな?」なんて話していると、
ひとりの女性がこちらへ歩いてきた。

お互い、すぐに分かった。

でも、事前メールでは、
「ぽっちゃりなので恥ずかしいです」
なんて言っていたのに、
実際はまったくそんなことはなくて、
活発そうな山ガール。

メンバーみんなで、
「どこがぽっちゃりなのよ(笑)」
なんて総ツッコミ。

最初はやっぱり、
少し緊張していたんだと思う。

でも、
山登りや秘湯巡りの話になると、
一気に表情が変わった。

こちらにも山好きのメンバーが居るので、
道中はずっと、
山や秘湯の話で盛り上がっていた。


最初の温泉へ着くと、
その女性は、小さいサイズのビールを取り出して、
「乾杯しましょう😊」と、
私の分まで用意してくれていた。

女同士で、小さく乾杯。

たぶん、
彼女なりの、
自分をゆるめる方法だったのかもしれない。

湯めぐりの合間には、
凍らせたゼリーやバームクーヘンも。

日頃から温泉へ通っている人って、
こういうちょっとしたものが嬉しいこと、
ちゃんと知っている。

みんなを喜ばせて、
少し安心したのか、
その頃から表情もやわらかくなっていった。

人に接する仕事をされているだけあって、
自然と周囲に気を配るような、
そんな雰囲気のある女性だった。


最初の貸切温泉では、
女性ふたりで着替えながら、
「どんなふうに過ごしたいか」
を、それとなく聞いてみた。

まだ少し、
様子を見ているような空気もあったけれど、

「男性ともおしゃべりしてみたい」

と話していたのが印象に残っている。

怖いわけじゃない。
閉じたいわけでもない。

ただ、
安心できる距離感の中で、
自然に関わってみたい。

そんな気持ちだったのかもしれない。


広い露天風呂では、
男性たちは自然と距離を取りながら、
それぞれ景色の良さそうな場所へ。

私たちがおしゃべりしている気配を感じながらも、
無理に会話へ入ってくることはなく、
ただ同じ空間を共有していた。

川沿いの湯は、
風も、新緑も、お湯も、
あまりにも気持ちよかった。

少しの間、
みんな無言だった。

ただ景色を見て、
風を感じて、
湯に身を預けていた。

私は、
ああいう時間が好き。


お腹が空いてきたので、
湯を上がって、
お気に入りのお蕎麦屋さんへ。

事前メールで、
「美味しいごはんが食べたい」
と言っていたので、
ぜひ連れて行きたかった場所。

どーんと山盛りで出てきたお蕎麦を、
みんなで「美味しいね」と分け合って食べた。


そのあと、
もうひとつ別の温泉へ向かった。

そこは、
少し“ワニさん”も多めの場所。

事前には、
「今回は見送ってもいいし、
いつか行ってみたいかも」
という感じで話していた。

だから当日も、
「無理しなくて大丈夫ですよ」
と伝えていたのだけれど、

「せっかくだから、一緒に行ってみます😊」

と、
少し笑いながら言った。

入ってみると、
やっぱり最初は、
その独特の空気に少し圧倒されているようだった。

でも、
私とメンバーたちで、
自然と囲むように、
心地よい場所へ。

そうしているうちに、
また少しずつ、
さっきの笑顔が戻ってきた。

時々、
周囲の視線を気にしているような表情も見え隠れしていたけれど、
時間が経つにつれて、
その空気にも少しずつ馴染んでいって。

最後には、
声を上げて笑っていた。


帰り際、
道の駅で別れる前には、

「今度は、あの秘湯に行きましょうね😊」

なんて、
メンバーたちと楽しそうに話していた。

その時の、
充実感に満ちた笑顔が、
今でも印象に残っている。

彼女を見送ったあと、
私たちもすっかり満たされた気持ちになっていて。

帰る前に、
少し余韻に浸りたくて、
川沿いでアイスを食べながら、
みんなで今日の振り返りをしていた。

「こんなに楽しくて、どうしよう(笑)」

なんて言いながら。


後日、
彼女から届いたメールには、

「気持ちがほてりました。
良い湯だったな😌」

という言葉が添えられていた。

身体だけじゃなく、
気持ちまで、
少し温まっていたのかもしれない。



今回ご一緒した女性が、
参加後に書いてくれた感想はこちらです🌿

→「新たな扉

※掲載している写真は、
すべて当日実際に撮影した加工なしの風景です🌿

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